2009年09月05日

パソコン整備士の資格で「修理屋」は開けるか?

以前「パソコン整備士」という紹介をさせていただいたのですが、実はその記事でいくつかお問合せを頂いていたので・・・せっかくだから記事として書いてお答えしておこうと思います。

パソコン整備士の資格は特定のパソコンメーカーや、特定のソフトウェアだけに限定せず、パソコン全般の、特にハードウェア面に対する知識を持っている事を証明する資格です。「パソコン整備士協会」という民間の団体が管理・運営しているいわゆる「民間資格」で、国家資格ではありません。「整備士」と名前がついているので、自動車整備士のような国家資格と同じもののように理解されることがありますが、あくまで「民間の団体が任意で認定している資格」です。

よく、「パソコン整備士の資格を取ると、故障したパソコンを修理したり、設定できなくて困っているのを設定するのが、スラスラできるようになりますか?」と質問を受けることがあるのですが・・・

結論から言うと、この資格を取ったからといって、望むような修理や設定ができるようになるわけではありません。

■「資格を持っている」ことと「能力がある」こととは違います

パソコン整備士に限らず、どの分野の資格でもいえることなのですが、「資格」はその資格の定める範囲の知識と技術を持っている事を、筆記試験や実技試験で評価しているに過ぎません。もちろん、資格を取るために、勉強し技術を修得するので、ある程度の知識と技術を持っていることにはなりますが・・・「資格を持っている」ことが、イコール「能力がある」だということには、必ずしもなりません。

これは、自動車の運転免許を持っていても、実際には一度も車を運転したことのない、いわゆるペーパードライバーの方が自動車の運転が上手かというと、そうではないことが多い、というのと同じことです。

パソコンがうまく動かない、故障した、設定の仕方が分からない・・・そういうトラブルや相談に対して、適切に答えられるか?修理が出来るか?というのは、実際には、「資格を持っている」だけではほぼ無理で、実際に何度もそういう修理や復旧の作業を行った経験やノウハウを持っていなければ、できることではないのです。

■「能力」「経験」を身に付けたら修理などができるか?
では、資格を取った上で経験を積み、能力を身に付けたら修理が出来るようになるか?というと、パソコンという機械の場合、実際の修理の案件の半数は不可能です。

パソコンが故障したという場合に、故障箇所を突き止めたり、故障している部分の部品を交換したり、あるいは設定上の問題を解決したりすることまでは出来ますが、故障の症状や内容によっては、手の施しようがなく、製造メーカーの専門の修理工場などへお願いするしかない場合も多いのです。だから、「資格を取った」「能力を身に付けた」からといって、どんなパソコンでも修理できるようになるかというと、そうではないと理解しておくべきでしょう。

■パソコン整備士資格を持っている修理業者やサポート業者を見たことがないのですが・・・

自動車の運転は「運転免許」という資格を持っていないと、運転することが出来ません。法律で決まっています。コレに対して、パソコンの操作や修理は、「資格を持っていないとできない」ものではありません。誰でもパソコンを使ってよいし、分解したり修理するのも、特に資格は要りません。このため、試験を受けて資格を取らなくても、知識を持っていて経験があり、能力が高ければ、資格がなくても修理やサポートは出来てしまいます。こういう事情があり、パソコンの修理業者さんやサポート業者さんの多くは、特に何も資格を持っていない、という場合もあるのです。

■じゃあ、パソコン整備士なんていう資格はいらないんじゃないの?
確かに、理屈としてはそう言えなくもありません。けれども、資格を持っているということは、少なくともその資格(この場合はパソコン整備士)が想定している知識や技術を持っているということは証明できるわけです。

ウチは自己流だけど、長年パソコンを色々いじってきているから、技術があり、何でも修理できます・・・そう言われても、どの程度の技術なのか?信頼できるものなのか?は、分かりません。

パソコン整備士1級の資格を持っていますので、診断・パーツの交換・設定作業などはきちんとできます・・・そういわれれば、少なくともパソコン整備士協会が想定しているだけの技術力はある、ということが誰にでも分かるわけです。

このように、資格がなくても修理屋さんやサポート業者として仕事が出来るとはいえ、見知らぬはじめてのお客様に対して、信頼していただけるための資格を持っている、そしてそういう「安心」をしていただけるための努力をきちんとしている、という事を表現するために、資格を取るという意味は充分あると思います。

■何級を取るのが良い?
パソコン整備士の資格には3級・2級・1級とあります。3級が比較的容易に取れるレベルで、1級が一番レベルが高いのですが・・・どれを目指せばよいか?といえば・・・出来れば最低でも2級までは取っておきたいところです。3級は、想定されている知識や技術が「日常的なパソコンの使い方について、きちんと体系立てた知識と技術を身に付ける」という程度のものです。普通に何年かパソコンを使っている方なら、少し勉強すれば合格するレベルで、整備士協会としても「資格を取るための入門編」のような位置づけにしている雰囲気があります。2級になると、少し踏み込んだ知識が要求されるので、このレベルをクリアできていると、パソコンのトラブルや故障の原因を突き止めるための色々な知識を身に付けることが出来ます。私Kissy自身も、2級を持っています。
1級は、資格を持っている方の人数も極端に少なくなり、相当深いレベルまでの知識と技術を要求されます。ここまで行けば、パソコン整備士という資格だけで仕事をして収入を得ることが可能だと思いますが・・・どのくらい勉強すれば取れるのかは、私自身資格を取っていないので、なんともいえません。

いずれにしても、それなりのパソコン修理やトラブル復旧を仕事として行うためには、資格としては2級で要求される程度の知識と経験と技術を備えている必要があると思います。

パソコン整備士の資格についてご質問をくださった皆さん、もしよろしかったらご参考にしてみてください。

なお、この記事で書いたパソコン整備士資格に関する解説や解釈は、あくまでKissy個人の見解です。


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Posted by kissy(岸本圭史) at 17:41│Comments(1)パソコン・IT
この記事へのコメント
 プログラミングとかは解りませんが、メカ好きなんでパソコン整備士は興味あります。
 勉強しようかな・・・。
Posted by かるのかるの at 2009年09月06日 10:10
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パソコン整備士の資格で「修理屋」は開けるか?
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