2007年09月05日
個人情報保護法
最近、いろいろな意味・いろいろなニュアンスで話題になっているので、以前書いたことをまた言いたくなりました。・・・個人情報保護法・・・
報道番組の解説委員の話や、市役所・県庁・行政法人などの担当者の話を聞くたびに、声を大にして言いたくなります。
「せめてもう少し、個人情報保護の法律について勉強してから仕事をしてください。」
- 災害時などに近隣のお年寄りの安否確認をしたいから、市で持っている名簿を開示してほしい
- 個人情報保護法で、「個人情報の収集・使用目的を限定されているから、出すわけにいかない」(・・・と、市役所の担当者が断った)
- PTAの役員名簿や、緊急連絡時のための生徒の連絡先名簿を作ろうとしたら、「個人情報保護のために、そういう名簿は作るべきではない」と親や教師から反対された
- 「こういうのは法律の弊害・欠陥ですね。個人情報保護法に不備がある。政府は早急に見直さなければならないと思う」(・・・と、物知り顔で解説した)
ここ1年くらいの間に、こんな感じで「個人情報保護法なんていう煩わしいものができてしまったおかげで・・・」と、個人情報保護法という法律の壁に阻まれて、災害時の要救助者リストが手に入らないだの、緊急連絡先名簿が作れないだのという弊害が出てきている、と報道番組でしきりに言われている気がしますが・・・・
これ、全部、完全に間違いです。個人情報保護法では、上記で挙げた事例はすべて名簿を作っても公開しても、全く問題なし。むしろ法律の「適用除外例」として「こういう場合はOK」という事例として思いっきり明確に法律の条文に書かれています。
(Kissyは法律の専門家ではないので、法律の条文を正しく解釈できているか?には自信が全くありませんが、条文の第五条 雑則の(適用除外)の部分を普通に日本語として読む限り、一万人が読んだら一万人全員が「OKだ」と理解するであろうほどに、はっきり書かれています)
だから、上記のような理由で個人情報の開示を拒んだり、名簿作成に異論を唱えたり、それを法律の不備だと指摘するというのは、
- 個人情報保護法をまったく理解していない
- 理解していて「適用外だから、情報開示してもかまわない」と分かっているのに、「個人情報保護法」を盾にしてあえて情報開示に応じていない
のどちらかでしかありえません。
こういう主張をすると、法律の専門家や情報保護に携わる多くの方より、「お前は法律のたてまえの正誤(せいご)ばかりを気にして、法律の精神というものを理解していない」と指摘を受けるのですが、その指摘でさえ、Kissyには不勉強あるいは不遜(ふそん)としか思えない。
個人情報保護法における「法の精神」とは何かというのなら、それは間違いなく「個人の生命や財産や尊厳を守るために、必要な情報を保護する」というものであって、「個人の生命・財産・尊厳を守る」のが主、「そのために方法として情報を保護(秘匿:ひとく)する」のは従です。
- 災害時の要救助者を助けるために、マル秘になっている高齢者や身体障害者の名簿リストを開示する
- 万が一の緊急時に備えて、生徒や教師の連絡先リストを作り、必要ならみんなに知らせておく
これら適用除外にあたる事例の、どこが「法の精神に悖る(もとる)」のでしょうか?むしろ、「人の命を守る」「危険を回避する」という最も尊ぶ(たっとぶ)べき規範にもっとも則って(のっとって)いるのではないでしょうか?
そういう思いで最近の「防災対策での地域連携」「実名報道の是非」などの話を聞いていると、どうして役人や報道人はこんなふうに間違った知識をへいきでかざして堂々としているのだろう?と思うこのごろです。