2007年09月18日
読書のススメ
先日、ふとしたきっかけから夏目漱石の「こころ」を本屋で買ってきて読みました。ずいぶん長い間、文学らしい文学に触れていなかったので、読むのに少々苦労したのですが、読み終えていろいろ考えさせられることがありました。
「こころ」という小説そのものに対する感想も多々あるのですが、それ以上に、「名作中の名作」といわれる作品の一つを読んだことに対して、いろいろと考えました。何よりまず考えさせられたのが、名作といわれる文学の奥行きの深さ。
最近の推理小説や文学作品は、Kissyが思うには「表現したい事をすべて文章にしている」感があります。だから、文章を読めれば、それでその作品の内容や主旨や、場合によっては背景までをも理解できます。
けれども、「こころ」を読んでいると、文章を追って「書かれていることを理解する」だけではつかめない何かを含んでいるように思えます。書かれているセリフや主人公の行動やしぐさなどから、読み手が作者の意図をくみ取って推察することで、より理解が深まる、そうして、そのころの時代背景や、その頃の人の考え方、価値観などを理解しながら小説全体を噛みしめるように味わう、といういわば「心の作業」が必要になるように思えます。
そういう意味で、名作といわれる作品は、刺激的でスリリングな内容でもないし、現代社会を基準に考えるとテンポやスピード感もありませんが、それを補って余りあるほどの「味わい」というものを感じます。最近の小説や話題の本もいくつか読んでいますが、こういう「味わい」や「深み」を感じることはありませんでした。
やっぱり「名作」といわれる文学の中には、それだけの価値というか重みというか、そういうものがあるんだなあ、と思います。
季節もちょうど「読書の秋」をむかえます。皆さんも、この秋「名作」を読んでみては?
ちなみにKissyは今、名作文学ではありませんが、「フェルマーの最終定理」という数学の理論をテーマにした小説を読んでいます・・・これもまた違った意味で興味深い!