この間、「たまには本を読んでみよう」と思って・・・自分でも何を思い立ったのか?というほど、不思議なのですが・・・「相対性理論」の本と「量子力学」の本を買ってきて・・・読んでいます・・・ム・ムズカシイ・・・^^;;
相対性理論の解説のなかに、こんなくだりがありました。
「この世のあらゆるものは、絶対的に静止している・動いているということを断言できる基準がないのです。何に対して動いている。何に対して止まっている・・・この世のすべての運動は、そういう認識のしかたで動く・止まるという事を確認するしかなく、その意味で、この世界はすべて相対的な関係としてとらえられるべきです」
科学的・物理学的に、この説明がどういうことなのか?はよく分かりませんが・・・このくだりを読んでいて、ふと思い出したことがあります。
人間は、自分が誰かという事を、周りとの関係でしか表現することができない。
たしか、大学の時の社会学の講義で聞いた事だったと思うのですが・・・要するにこういうこと。
ボク(Kissy)がどんな人なのか、という事を説明する(=自己紹介する)には、色々な仕方があります。
一家の主です。奥さんがいます。両親と暮らしています。わんこも一緒に家族として暮らしています。
パソコン相談所の所長です。沼津で仕事をしています。ITコーディネータ・パソコン整備士という資格を持っていて、パソコンやITのサポート・コンサルタントをしています。
ピアノやキーボードを弾くのが好きで、かつてはバンドをやっていました。今度新しい仲間とライブをやることになっています・・・
というような具合に・・・
一見、いろんな説明をしているように見えるけれども、要はこれ、Kissyが生きている周囲の人と、どういう関係があって、どういう立場で、どういうかかわり方をしているか?という事を、色々な角度から言っているにすぎません。
もし、こういう「社会との関係を表す言葉」をすべて消し去ってしまったら・・・Kissyという人間がどういう人間なのかという事を、説明する術がなくなってしまうんですよ、ね。
奥さんの夫であること、両親の長男であること、パソコン相談所の所長であること、かつてバンドでキーボードを弾いていたこと・・・これらすべて言わずに、Kissyとは何者か?を説明する・・・それは不可能なこと、なんですね。
つまり、ひとりの人間のアイデンティティは、その人間独自の固有のものではあるけれども、そのアイデンティティ(=個性)は、周囲の社会とのかかわりによってしか、説明できない、というわけです。
そもそも、「個性」とは、他とどのような部分が似ていて、どのような部分が違うのか?というような「関係」の中で際立ってくるものなので、ある意味当然と言えば、当然ですよね。
そんな事を考えながら、まあKissyには似つかわしくもない物理学の最先端の本を読んでいるわけですが・・・
最近の社会の風潮やいろいろな出来事を見聞きしていると、どうも「自分らしさ」とか「自分の個性」というのを、「自分勝手」「他人との関係を断絶した孤独な状態」のように歪曲して理解している方が多いように、ボクには思えます。
自分を自分たらしめているのは、「ただひとり自分だけ」だというのは、間違いだと思うんですよね。
自分という人間を創りあげているのは、親しい周囲の人であり、周囲の人が住んでいるこの町の人たちであり、この国であり、この世界でもあるんだ・・・と思うんです。
たしかに「自分は自分」です。だから、時には、他の人がどんなに腐っていても、周りがどんなに悪いことに手を染めていても「他人は関係ない。自分だけは絶対に悪いことをしない」・・・そういうカタチで、「周囲とは関係ない」とキッパリ関係を断つのも、それはそれで大切な姿勢だとは思うんですが・・・
だからといって、「ひとりひとりが自分だけは正しく生きよう」と頑張ればそれでよい、というだけでは済まないと思う部分も、あったりするんです。
自分の住んでいる町・自分とかかわっている周囲の人たち・・・それらすべてが、良い方向に進んでこそ、初めてその中で生きている自分という人間も、しっかりした一人の人間として生きられる・・・そんな風に思うんです。
今日、沼津市役所へ用事があって行ったら、こんな事がありました。
役所の中の廊下を、少し足の悪い年配の方が歩いていたのですが、廊下の角で、市の職員らしき風体のスーツ姿の男性とぶつかりそうになって、よろけてしまいました。その職員らしきスーツの男性、「チッ」と言ってその方をにらみつけるようにして、何も言わずに歩いて行ったのですが・・・それを見ていた別の女性の方が、その人に聞こえるか聞こえないかくらいの声で「すみませんくらい言えないの?」って言っていました。
・・・ちょっと考えさせられたなぁ・・・色々と・・・
なんだか、支離滅裂、長々と書きたいほうだい書いて、読みぐるしい文章になってしまいました。すみませんm(- -)m