絵にかけない餅は・・・

kissy(岸本圭史)

2008年02月23日 09:13

以前少しだけお話したことのある「プロジェクト」のお話のつづき・・・

目標と期限を定め、組織立ってその目標に向かって動く一連の行為を「プロジェクト」という、というのは以前書きましたが、私たちITC(ITコーディネータ)や、あるいは経営コンサルタントがこういう事に取組んで、実践のお手伝いをするときには、いくつかの鉄則があります。

その中の2つ。

「実行可能なモノでなければならない」
「可視化・・・目に見える形で行われなければならない」


そんなの当たり前じゃん!?
そう簡単に思うなかれ。

3人寄れば派閥ができる、というのが日本の組織の常。そんな環境にあって、単に「だれが見ても実行できると思うから、あとはみんながシャンシャン手を合わせてやってきゃ大丈夫」・・・なんてのは、はじめから目標が低すぎて実施する前からもう実行できているか、あるいは安易に考えすぎのどちらかです。

いざ、始めれば、
「スケジュール調整ができない」
「実施段階になって意見調整が不調に終わる」
「いざと言う時に、お偉いさんが全然違うことを言い始めた」
「実行段階になって目標の定め方が実情に合っていないことがわかった」

・・・ご自分の会社の会議やミーティングで、よく耳にしませんか・・・?

これ、「いざやってみたら大変だった」のではないんです、ね。
計画段階・・・プロジェクトとして立ち上げた直後の時点で、必ず検討して見通しを立てなければならないことをおろそかにしている場合が多いのです。つまりそれが、
「このプロジェクトは、本当に実行可能なのか?」

さてもうひとつ。「可視化の原則」
「見える形」というのは、いろいろな意味がありますが、「目に見える形で行動する」とか、「全体を見渡せるように計画書をわかりやすくしておく」とか、そんなたぐいのことですが・・・これ実は、「行動すること、実行することこそ重要」と考えている方に不足しがちな話です。

目標立てて期限を切って、チームや組織で達成に向けて動き出す・・・最後まできちんと完遂するためには、「どういう計画でどう実施するのか?」を絵に書いておかなければなりません。
実行力・行動力に優れた人の中には、「計画ばっかり練っていたって何にもならない、そんなのは絵に描いた餅だ」と「計画を練る」ことを批判する方もいらっしゃるのですが・・・

行動すること、実際にやることは大切です。というかソコがなければ何も始まらないですから、ね。
けれども、朝からガンガン動きまわれば、夕方には結果が出る、というような短いスパンや小さな規模のことならまだしも、何人もの人間が何か月あるいは何年もかけて、一人では達成できないことをやろうというのがプロジェクトなのですから、その実施のためには、「本当に実行が可能かどうか?」を検証する意味でも「綿密な計画」が必要です。

「綿密な計画」は、確かに絵に描いた餅とも批判を受けることがありますが・・・・

計画すら描けない、見通しのきかないプロジェクトは、はじめからプロジェクトですらないのです。

絵にかくことすらできない餅は、そもそもそんなの餅ですらないんです、ね。

追記:
この記事、多分に自戒の念をこめて書いています。他の方のことを云々いうつもりなのではありませんので、誤解のないように・・・お願いします・・・^^;;

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