昨日、ITC(ITコーディネーター)という資格更新のための研修に出て、そこで学んだこと。
マーケティングとかWebについての方法論や基礎理論で、もうだいぶ前から言われている話で、Kissyも何度も聞いたことのある話だったのですが・・・最近私が意識している色々な問題について、何か示唆的な内容でした・・・それほど難しい話でもないので、もし良かったらみなさん、お仕事の参考にしてみてください。
お話のテーマは
「ロング・テール」・・・この言葉を聞いて「あ、それか!」と思った方、ハイ、ありがとうございました。ここ以下は、ロングテールの基礎中の基礎の話ですよ。
「2:8の原則(にはちのげんそく)」ってご存知ですか?「売上・収益の8割近くは、実は全商品のたった2割程度の売れ筋品目が稼ぎ出している」という統計上の経験理論。
だから、「時代は
選択と集中」・・・「ヒットしている売れ筋商品を集中的にそろえてガンガン売り、それ以外の、在庫していてもなかなか売れない、回転率の悪い商品は切ってしまえ」・・・大規模小売店・チェーン店がこの30年来、ず~っと掲げてきた商品仕入れ・陳列・販売方法の戦略の根本です。実際、現在多分日本で最大の小売業「コンビニエンスストア」は、この理屈をそのまんま実行に移して、大飛躍をとげました。
けれども、コレ、ホントなの?・・・そういう疑問がわいてきています。というか、この2:8の理論は間違いだということがほぼ証明されています。
超売れ筋・けっこう売れ筋・きっとこれから売れ筋・・・とにかくたくさん売れることが見込める商品だけを集中的において、あんまり売れないものは置くな。置いたって収益にはならないから。
これを、Amazonがひっくり返しましたよね。
何の事言ってるか分からない方のために・・・
Amazonを初めとするネット販売のビジネスでは、「一般のお店では全然売れない・・・1年に1個売れるかどうかも分からない商品」も、とにかくネット上にすべて情報として掲載し、取り寄せて販売したところ、こういった「一般的には売れていないニッチな商品」の販売・売上・収益の合計が、売れ筋品目の売上・収益の合計と同じくらいの規模に迫ってきてしまったのです。
なぜか・・・?
言われてみれば理屈は簡単。実は実際の統計値では「2:8」の理論は成り立っていなくて、せいぜい「2:6」(売れ筋2割の品目が稼ぎ出すのは全体の6割くらいの収益)だからです。
そして、2:6が成り立つのは、寸分たがわず市場の動向とピッタリ一致して、一品目も間違いなく売れ筋商品を揃え、品切れなどを一度も起こさずにお店を運営できた場合・・・だそうなんです。
そんなの、ムリにきまってんじゃん!
・・・ということで「売れ筋じゃないものでも、全部かき集めれば、全体の4割、いやそれ以上になる」ということなんですよ、ね。けど実際、売れ筋じゃない「はるかに大量の品目」を実店舗や実倉庫に在庫しておくのには物理的にムリがある。だけどWeb上なら在庫を持たずにこういうことが実現できる。
だから、「ニッチ」に目を向けた商売でも大成功ができる、というわけなんですね。
「ロング・テール」というのは、商品を売れている順に並べて売上額(あるいは個数)をグラフにすると、左のほうから富士山の稜線のように緩やかに右下がりになっていって、その裾はず~っと右まで続く・・・その「全然売れない、圧倒的多数の死に筋商品の部分」が恐竜の長いしっぽのように見えることからつけられたことばです。
けれども、この「ロングテール」の部分を全部かき集めたら、実は最初のほうの売れ筋の少数品目の売上合計より上回ってしまう・・・そういうお話です。
さてさて、ここまでメゲずに読んでくださったかた、ありがとうございます。このお話、知っているだけでも多分色んなところで話のネタになるし、役に立つと思います。が・・・
で、それがKissyの抱いている問題意識の何の役に立つのか?何を示唆しているのか・・・?
長くなってしまったので、それはまた次回、ということで・・・